とかく途上国はresourceが無い。
今日はそんなお話。
仕事が終わり、いつものようにふと買い物に行った夕方。ちっちゃなスーパーでは何週間に一回、大量に商品が納入される。まとめて仕入れた方が輸送コストも少ないし、ロットが多い方がリベートがあるからか、仕入れの頻度が極端に少ない。
ルワンダは内陸国で自国産業が全然育っていないので、ここで言う仕入れはもちろん海外から。主にケニア産だ。その中で、数少ないルワンダ国内加工業者が目に留まったので紹介しよう。
皆さんはミルクと言ったら何を思い浮かべますか?
どちらにしろ、フレッシュミルクですよね?他のミルクの種類なんか知らないですよね?
ルワンダには、
「ロングライフミルク」なるものがあります。なんと、9カ月もの間パックに入れてれば保存できます。
凄いなー、どんな会社だ?と調べてみたものを簡単に貼っておきます。
【INYANGE Industries,ltd 簡易分析】
【企業概要】
1997年創立。(ジェノサイドの3年後‼︎)本社キガリ。Crystal Venturesという100%ルワンダ資本による持株制。フレッシュミルクではなく、煮沸して保存期間が長めのミルクを軸にして現在ジュース、乳製品まで拡大。年間今後も更に付加価値品を発売予定で目が離せない。個人的にはアイスクリーム気になる。臭くないといいけど。
★マーケットプレゼンス
加工食品市場が毎年ルワンダでは4〜5%伸長しており、GDPの伸長とほぼ同等。コモディティーのために所得向上と連動していると考えられる。その中で市場シェアは各セグメント毎に記載しているが、圧倒的な知名度と売れ行きである。競合も4社いるがプレゼンスが低いので省略。個人的にはスーパーや路面店に行ってほとんどフェイスシェアが80%を超える。
★ブランドイメージ
カウンターパートに聞いてみた。
「INYANGEってどんな会社?」
→「生活の一部さ。毎日飲んでるよ。安いしね。」
神レベルの模範解答。ここまで生活に密着しているブランドは珍しい。やはりルワンダ資本というのが大きいか。カガメ大統領もルワンダの成功例として取り上げることもしばしば。ちなみに僕のカウンターパート、コーヒーはブラック、朝はスープ、好きな飲み物はビールです。あれ、牛乳は?
★価格・サイズ
先程のインタビューで「安い」とある。これも所得の低いルワンダ人に浸透したキッカケの大きなところ。(価格分布書きたかったがweb公式情報なしのため断念)どんな所得の人でも買いやすいように、小容量から大容量までサイズも幅広くしてあるのが良い。
★製品
ーミルク:◯大概ちょっと癖があるかなと思っていたが無い。とても飲みやすい。
ーヨーグルト:◎とても美味しい。ストロベリーが美味い。
ーミネラルウォーター:◯硬水ではなく軟水で飲みやすい。
ークリーム:?未食。
ージュース:△薄い。果汁30%もあるのかなってくらい。日本のなっちゃんを彷彿とさせるがあれよりもアメリカっぽい化学的な味がする。
→主要製品のミルクはより濃さや栄養飲んでる感が欲しい。主要ではないジュースには大きな課題がある。
★フレーバー
なかなかの種類がある。ただ、見分けづらい。パッケージにはまだまだ改善点あり。味はまあまあだが、それぞれが似通っている印象。また、強み・弱みにも書いたが、フルーツ全てが100%ルワンダ産ではないため、買い取り価格変動や輸入関税がプラスされ店頭調べではジュースは価格がやや競合より高いのでここを均一化する、または売れるフレーバーに絞る、などが必要。
★そもそものロングライフって?
上述のように、ルワンダ人は所得が少なくなかぬか消費回転が良くない。そのためフレッシュよりも保存期間を良くするためにほとんどが加工される。フレッシュミルクの場合は3日、ikivugutoと呼ばれる発酵させたミルクは7日、ロングライフの場合9ヶ月、と差は歴然。そのため企業としては無駄を減らすことを念頭にロングライフに全てシフトしている。今度工場行こうと思う。
ルワンダビールみたいなまとめが、web情報があまりに無さすぎてできませんでした。だってホームページすらこんな感じ。
ルワンダ資本だからかもしれませんが、やはりannual reportなども何も公になってません。投資家もルワンダ内だから何も出さずに閉まっている。こういうところに、内弁慶というか、ルワンダ政府の情報操作感があります。もっとオープンにすればルワンダへの投資も増えるだろうに。
ということで、途上国にはresourceが無いということをまざまざと感じた水曜の昼。
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