さて、個人的な活動として今年の3月よりルワンダ国立大学でマーケティングの課外講師として僭越ながらマーケティングの授業を36名の生徒達に毎週行ない、合計12回の講義を行なってきました。
フイエは学生の街で、日本でいうなら日吉とか早稲田みたいな場所。なのに全然学生がコミュニティに活かされていない。それが少しでも変わればなと思って始めたのでした。
彼らにはより実務に近い形のワークをしてもらったり、ケーススタディでディスカッションするなどの、「カラダで覚えるマーケティング」をテーマにした授業をしていました。
というのも、ルワンダの一般的な教育の問題点として、「理論を教えて実践での使い方が分からない」とよく叫ばれるからです。最初の授業でもやはり、理論を伝えてくるけど、実際のケースに当てはめるとよく分からなくなることが手に取るように分かりました。
だから、「カラダで覚える」、というか、リアルなものとして実感できるマーケティングを分かってほしいなと思ってやっていました。なので、最終的には彼らにビジネスのアイデアを少しでも自ら捻り出せるようになってほしくて、講義の最後は”ビジネスアイデアコンペ”と称して大会を開催しました。大会と言ってもちっちゃなもんですが。。
その講義の集大成が昨日行なわれました。【フイエ観光 学生ビジネスアイデアコンペ】
●日時:5月24日(火)13時
●場所:私の配属先PSF(フイエ商工会議所)
●招待者:郡庁職員・BDF(ビジネス促進ファンド)・RDB(観光庁)・国立大学キャリアセンター・PSF(商工会議所)・JICA同期と専門家(特別に来て頂きました)
⚫︎評価:招待者の中の5名が実現可能性や新規性、差別性、プレゼンの質、質疑応答の受け答えなどにより点数化
●チーム数:8チーム(4名1チーム編成)
●プレゼンテーマ:「フイエになる資源を使って観光客を年間1万人まで増やすプランを考えろ」
●目的:マーケティング理論を実際のビジネスに応用して、実際にビジネスをやっている人たちや融資者と議論し、これまでやってきた成果を表現する。
●表彰:1位にはフイエの特産物セット、参加者全てに表彰状を贈与
最初は全然カスタマーのことなんか考えず、ただ俺が作ったものだから売れるでしょという考え方だった彼らが、無事にプレゼン(その質はかなり怪しい笑)してるのを見ていて、自分の子供を見ているお父さんの気持ちでした。
歴史を辿るフイエマラソン招致とか
厳選された地方のコーヒーが一気に毎日楽しめる森の中のコーヒーバーとか。
やっぱり、学生だから発想できることってあるんだよなーとつくづく自分の考え方の狭さに気付かされました。また、学生が評価するジャッジに詰められてるのを見て、自分の教え方や導き方を反省したり。教わることがたくさんありました。
どれも面白いなと思うものばかりだったのですが、1位に選ばれたのはフイエで唯一の森林公園で、観光客はほぼ誰も知らないような手がつけられていない、でも野鳥や植物が生い茂って歴史的モニュメントがある場所を、ネイチャーエンターテイメントとして再活性化するというプロジェクトアイデアでした。
現状分析→ニーズ把握→コンセプト→マーケティングミックス→市場インパクト→コストパフォーマンス→リスクマネジメント→モニタリング評価
一連の流れをとても綺麗に話していました。素直に嬉しかったです。彼らが自信を持って自分の考え方を自分の言葉で話しているのを見れて。
個人的にはマウンテンバイクツアーやってみたいなと思っていて、ぜひ実現可能性を探りたいなと思っています(^^)
なんかとても嬉しい渡し方だなーと思いました。日本ではあまりないですかね。
先生〜!って集まって写真撮ってくる生徒達は本当おっさんみたいだけどかわいい存在で。
生徒のリーダーもよく頑張って付いてきてくれました。途中めちゃくちゃ怒ったりとかたくさんしたのに頑張りました。
最後はみんなで打ち上げ。本当よく頑張ったねみんな。
一番嬉しかったのは「ヒロとまたマーケティング勉強したい」「マーケティングとても好きになった」「また次もやってほしい」と言われたことだろうか。
ルワンダではインターンシップやビジネストレーニングを受けないと就職では不利になります。だから、最初はみんなサティフィケート(トレーニング資格認定)のために来てるんじゃないかと思った時もありました。
でも最後にはこうして、「自分の夢のために学ぶことの楽しさ」を、ショボい授業の中でも少し分かってくれたのかなと思わせてくれました。本当に素敵な学生達です。また来学期にもやろうと思います。更に発展した形を用意しないとと今から楽しみ。
さて、次のステップは実際に彼らが残してくれた良いアイデアを、僕ら大人が現実のものとして発展させ、作り起こしていくこと。それが、彼らが夢を実現できると信じれる唯一の手段。今度は僕ら大人の番です。さぁ頑張ろう!
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