もう7月も終わりです。ルワンダのコーヒーシーズンは終了し、現在は加工した生豆をどんどん売っていくシーズンに入りました。
その中で日本で1番大きなコーヒー会社の方やロースターとしてとても有名な方や商社さんなど、沢山の人がフイエを訪れて下さいました。そのご訪問を通して、本当に色々なことを素人として勉強させて頂きました。
農家さんと一緒にカッピングして頂いたり
農地まで行って土壌を見て頂いたり
輸出会社のコンペに参加頂いたり
国内全体の問題を政府に直接提言頂いたり
そして、フイエのコーヒーを日本向けにご購入頂いたり。
何百万円ものお金が動いた今年の収穫期。より日本市場がフイエのコーヒー農家やオーナーさんにとって身近になった年になったように感じます。
また皆さんに下記のような毎月のルワンダコーヒーレポートも提出させて頂いております。
さて、次はSpecialty Coffee Association of Japan (通称SCAJ)2016の開催準備です。昨年はルワンダ政府と一緒に同行させて頂きました。今年は9/28-30@東京ビッグサイトの開催です。業務出張として参加できるかはまだ未定ですが、ぜひ日本でフイエのコーヒーがまた飲めるように、微力ながらお手伝いしていきたいと思います!!
青年海外協力隊としてルワンダにマーケティング職種で28歳で派遣され、現在はルワンダ資本のコーヒー会社に就職中の30歳のブログです。現地法人にいるからこそ分かるリアルなルワンダビジネスの真相、仕事ぶり、仕事への思いや熱意など、「アフリカの奇跡」と呼ばれる国の真髄をお届けします。
園田裕明、ランキングに参加してます!皆様の「イイネ!」の1クリックをお待ちしております!!
2016年7月31日日曜日
ルワンダ人が主催するアートイベントは果たして成功するのか?
前回の続きとして、ローカルNGO【UMUSARE(ウムサレ)】の活動の中心の一つであるキガリ・アート・フェスティバル(第2回目)の様子をお伝えします。
<概要>
●日程:7月17日(日)10:00-19:00(アフリカ連合会議がキガリで開催された期間)
●場所:Villa Portofino Hotel Kigali(スイス資本の綺麗なホテル)
●入場料:大人3,000rwf(日本円で400円程度)、子供タダ(子供連れターゲットのため)
●コンテンツ:アートショップ50店舗、体験ブース4店舗、若年層によるライブミュージック、ルワンダダンス、アートパフォーマンスなど
<事前マーケティング>
●NGO発足の認知度向上のためのメディアカンファレンス実施
→戦略PRとして数々の主要メディアが掲載
<概要>
●日程:7月17日(日)10:00-19:00(アフリカ連合会議がキガリで開催された期間)
●場所:Villa Portofino Hotel Kigali(スイス資本の綺麗なホテル)
●入場料:大人3,000rwf(日本円で400円程度)、子供タダ(子供連れターゲットのため)
●コンテンツ:アートショップ50店舗、体験ブース4店舗、若年層によるライブミュージック、ルワンダダンス、アートパフォーマンスなど
<事前マーケティング>
●NGO発足の認知度向上のためのメディアカンファレンス実施
→戦略PRとして数々の主要メディアが掲載
★EAchamps
http://m.eachamps.rw/article/2359/Kigali-Arts-Festival-igiye-kuba-ku-nshuro-ya-kabiri.html
●ラジオやTV出演多数
●SNSを使った外国人滞在客への露出
https://web.facebook.com/kigaliartsfestival/
●外国人が出入りする場所へのバナーやパスター設置
<当日の様子>
<結果>
期待している集客よりもだいぶ差が出ました。(まさかの見込比10%くらいの集客!!)
その原因は上記の通りです。
ルワンダ人に任せていたのですが、やはり慣れていないのでなかなかうまく回らないことも多く、1週間前から考えられないことが起きててんやわんやしていました。でも、それも含めて勉強だと思ってやらせた結果が上記です。更には当日はアフリカ首脳が集まる会議があったせいもあり、予期しない形でいきなり道路が何時間も封鎖されて入場できなくなるアクシデントも重なってしまいました。(でも収益75万フランはルワンダ人工芸職人の平均収入で言うと5年分くらいになります!!!)
ということで、アートフェス第二弾は色々な不運(アフリカ首脳会議があり道路全部封鎖…)もありましたが無事に初めてのルワンダ人主導の元終わりましたーほぼ実務から何からやらずに任せてやってもらいましたー
NGOとして初めて迎えたお披露目会としては、日本の常識から言うと本当にショボいものなのかもしれませんが、彼らなりに、所得の低いハンドクラフト職人の人達や、働き口の無い女性支援のために頑張って最後までやり抜いてくれました。
任地フイエのブースも出していて、アーティストコラボ商品も売れました。ルワンダ大学の学生でもう結構な付き合いのインターン生がよく頑張ってくれました。商品はもっともっと良くなる伸びしろを感じさせられました。頑張ってくれ!フイエのみんな。
赴任2年目はルワンダ人を信じて大きなことも任せると決めてやってきて、なかなか予想もつかないことばかり起きてうまくマネージメントできないことだらけですが、そんなこんなで彼らの助けも借りながら日々悪戦苦闘してやってます。
収益性としては開催側で約70-80万ルワンダフラン(1000ドルくらい。ハンドクラフト職人一人当たりの一日平均所得で比較すると5年分くらい!)の利益が出て、これがNGOのもと、少しずつ若年アーティスト育成や職人へのワークショップなどに使われる予定です。創造性に弱いルワンダでぜひもっとクリエイティブな人材が育つように使われることを願います。
協力してくれたルワンダアーティストの方々やローカル企業、インターン生、NGO立ち上げメンバーに感謝です。
大事なのはフィードバック。ここでいかに反省をして次には完璧にできるようにさせるか。とっても長く時間をとって、次どうするかをNGOの皆で検討してもらいました。
次は信頼を回復する回になるはず。12月に開催予定ですが、その前にNGOとしてたくさんやるべきアクティビティを進めて、満を持しての回にしないといけません。これからのルワンダ人の力に期待しながら、まずは2回目が終わりました。
素敵なルワンダ人達がいたからできたモノ。ぜひ彼らの中に大きなマインドが残ることを信じて。
<ちなみに>
フイエの組合の商品ももちろん展示しました。こちらも例に習い、ルワンダ大学の学生に担当させました。
まずはコーヒーの限定パッケージ
そして伝統的飲み物バナナワインの限定パッケージ
更に国立公園で大切に保護されて作られた糖度抜群のハチミツの限定品
またルワンダアーティストとコラボした、そのままでもギフトになる特産ジャムの限定品
コーヒーを少しでも広めようとの思いが詰まったコーヒー農園・農家のデザインをあしらったエコバッグ
集客が少なかったフェス全体の売上からするとおそらくダントツで1位だったであろう7万フランの売上を稼ぎました!!!よく学生のインターン生が頑張ってくれました。
こうやってビジネス体験をさせることでの気付きをぜひ、彼らが卒業して起業する時の糧にしていってほしいなと願いを込めております。
LOCAL NGO "UMUSARE" 始動!
約1ヶ月ぶりの更新になりました!まだまだルワンダは乾季真っ只中。元気にやっています、フイエからお届けします。
最近素敵な巡り会いを多く頂きました^^日本からの青年海外協力隊派遣前の方からのお声、協力隊を目指して現在受験中の方のお声、コーヒー関係の方からのお声、実際にルワンダにいらっしゃって直接お話しさせて頂いた方など、幅広い分野の皆様から日々刺激を頂き、この協力隊という仕事にとても感謝をしている今日この頃です。皆さんのお声で頑張れます!!!(http://hinemoto1231.com抜粋)
あと半年というところまで迫ってきた任期も、今はルワンダ人にいかに一人でできるようにするかのいわゆる【技術移転】に入りました。目一杯彼らにやらせて失敗させてでもトライさせて、何が足りないのか、何を準備しておけば成功に繋がるのかを日々彼らと一緒に考えています。
この段階に入ると、もう次のステップを考えて動くということもあるでしょうか。僕は本当にてんやわんや色々な突拍子もないことが常に起きるルワンダ人達と楽しくも苦しくもやっている状況で、とても先のキャリアを見据えた判断や勉強はできておりません。。アフリカで働くって結構忍耐力がいるな、自分も意外に「仕方ないよな〜だって◯◯だもんな〜」と思うことも出てきました。良いのか悪いのか笑。先を考えること、少しずつできたらな〜と思っています。
さて、今回の本題に。
【ローカルNGOが立ち上がりました】
と聞くと聞こえがいいかも知れませんが、先輩隊員が頑張って育ててきた見込みのあるルワンダ人が、ようやくローカルNGOを立ち上げてルワンダの国の観光業の将来を作っていくフェーズに入りました!!
その名もタイトルにある通り”UMUSARE(ウムサレ)”、日本語で言うと”船乗り”という意味です。自分達がルワンダの観光業界のパイオニアとして舵取りをして必ず成功に導くんだ!という強い想いを彼ら自身で表してくれた言葉です。これを聞いた時の気持ちはまた格別でした。
<経緯>
そもそもの成り立ちは前述の観光業の強化の僕のミッションと、先輩隊員が取り組んだ人材育成のベクトルが重なったこと。それにより、ずっと前にこのブログでも記載した2016年2月の「フキガリアートフェスティバル」の開催に至りました。そこで得た気づきを二人で約1ヶ月揉んで、より立体的にルワンダを牽引する存在になれるというポテンシャルを活かして【ハンドクラフトを通した弱者支援と観光業の拡大による市場拡大】を目指して、今月で5ヶ月のルワンダ人の努力の末に実現しました。詳細は下記の通り。簡単ですが。
●ハンドクラフト市場金額ポテンシャル
現在外国人流入者約120万人(統計参照)×平均単価1万フラン(約1500円と仮定)=12億フラン(約2億弱の市場)ではあるが、明らかにそれよりも少ない。
●ハンドクラフト市場の課題構造
①外国人流入者多いにも関わらず市場が小さい
↑
②プレイヤーが少ない&モノが弱い&情報が整備されていない→チャンスロスによる売上停滞
↑
③技術の停滞(オリジナリティが無い&若年層の育成不十分)&(新しいビジネスモデルの育成が無い&マーケティング力が弱い)→ヒトに大きな課題
↑
④ヒトが入りたくなる市場の開発が求められる→儲かる仕組み作りを作り、技術強化と競争促進、情報伝達の強化による生産者と消費者のパイプ強化が命題
●消費者の課題構造
①買いたくならない
↑
②良いものが無いから買い叩く&良いものがある場所を知らないから諦める
↑
③全部似たり寄ったりでルワンダらしさが無い&地図もないし情報もないから探せない
↑
④オリジナルで品質高い商品の開発&メディア媒体の確立
●競合環境
①うまみが現時点でないのでプレイヤー少ない
②相対的に競争は少なく、品質もそこまで高くない
③マーケティングとトレーニングにより伸びしろ大きく勝てる可能性が高い
④外国人支援団体は多いが、ローカルNGOは少なく注目を浴びる
●外部環境
①外国支援が多く入るルワンダ→支援団体によるサポートが受けやすい
②内陸国である政府の方針として周辺諸国のハブになるべく規制緩和されており流入者は増加傾向→市場が更に大きくなる可能性を含む
③脱農業を掲げる政府方針により観光業は利益率含めて注目を浴びている→新規ビジネスは受け入れられやすい
ということでまずはビジネスチャンスの可能性を見いだす為にテスト的に2016年2月にアートフェスを実施。ハンドクラフトだけで見ると主催者側だけでも収益は1日で150万フラン(日本円で25万円。これはルワンダの1日の平均的所得の750倍です。)もちろん、他の付属イベントで最終的には若干の赤字計上をしてしまいましたが。。
●イベント1回目から学んだこと
①市場活性化のポテンシャルをやはり多く含む(オリジナリティの高いものはあっという間に売れ去った、お店の情報を多くの消費者が聞いていた)
②技術の進化はまだまだできる(お店毎の技術の差が激しく、低レベルの店が多い)
③継続した支援による下支えがキーファクターになる(国連関係者や大使館関係の人が多く来て活動自体への評価が高かった、継続的実施の前提で支援を申し出られた)
以上のような考察をルワンダ人が考えて作り出した案がUMUSAREでした。
UMUSAREには以下のような課題解決モデルがあります。
①モノの弱さの克服
a)「アートスタジオの創造性×低所得職人による丹念なモノ作り」のワークショップ→オリジナルの工芸品開発
b)アートフェス内での「工芸品コンペティション」開催によるアイデア発想の場の提供と商品化支援
②情報発信の弱さの克服
a)郡庁公認NGOとしてのメディアPR
b)Webサイト制作による情報受け皿の設立
c)ネットワーキング構築による様々なイベントへの技術提供PR
d)インターナショナル校へのルワンダ伝統工芸の出張授業による学習・興味促進
e)クラフト体験型サービスの提供による消費者の知識の深化
③ヒト育成課題の克服
a)キガリアートフェス収益の若年層育成校へのドネーション
b)アートフェスによる若手アーティストへのビジネスチャンス提供
c)「アートフェス収益によるトレーニング費用の創出×トレーニングが行き届かない貧困女性の仕事作り」の社会復帰支援プレグラムによるプレイヤーの増加
社会的ミッションとしては【所得の少ないヒトの収入向上と女性の社会進出促進】を掲げる。※実はまだ支援団体との契約をもらえるに至って居ないですが・・・
分野自体はハンドクラフトを中心にしたアート産業全体の活性化をNGOとして掲げる。ファッションやエンタメ市場も視界に入れているため、次回のフェスは音楽・ダンスを何度も入れ込む予定。
ということで、上記①〜③の中の活動の1つが僕が担っている「フイエコーヒー石鹸」や「伝統バナナビールパッケージ開発」「ルワンダハニーのブランディング化」と繋がっている。アーティストはキガリアートフェスへの参加料がタダになる代わりにワークショップを開き、商品開発を地元の職人と行い、それを職人が作って、キガリのNGO代表の店で売りに出せる。代表の店は他の土産物と違ったオリジナルのものが並ぶため、購入数量や単価が上がる。それによりマーケティング費用が捻出され、情報発信が増える。更には口コミによる社会科授業・体験型サービスへの需要が伸びる。といったような好循環がロジック上できる予定です。
【つまり、、、】
買い叩かれていたモノが付加価値を持って高く買われ、プレイヤーが増える魅力的市場になることで、消費者の受け取る情報量も増えて、たくさんのサービスとともに市場が活性化する。(理想としては、ですが。。)
買えばそれだけ低所得貧困層の女性達の収入が増え、よりクリエイティブなモノを生み出す力が生まれるんです!!!(理想としては、ですが。。)
もちろん、消費者としては品質の良いものでないと買われない訳で。買ってもらえるターゲット目線での市場作りができることは僕にとっても至上命題だったのでとても嬉しい。
組織体系はこんな感じです。
【直近の活動】
<アートフェス第2弾開催>
・7月17日(日)10-19:00@ニャルタラマ ポートフィノホテルにて
・50以上の店が一挙に集まる国内最大級のアートフェス
・4種類のクラフト体験コーナー
・入場料3,000フランでルワンダダンスやライブミュージックも楽しめる
・12歳以下の子供無料
・ルワンダ5大アートスタジオの中の3つがテクニカルサポート
今回は完全に、冒頭にも言いましたが「ルワンダ人にやらせている」ので彼がどう動かすか、という意味で僕にとってはとても意味のあるイベントでした。
さて、この結果はいかに・・・
次回に続く。
最近素敵な巡り会いを多く頂きました^^日本からの青年海外協力隊派遣前の方からのお声、協力隊を目指して現在受験中の方のお声、コーヒー関係の方からのお声、実際にルワンダにいらっしゃって直接お話しさせて頂いた方など、幅広い分野の皆様から日々刺激を頂き、この協力隊という仕事にとても感謝をしている今日この頃です。皆さんのお声で頑張れます!!!(http://hinemoto1231.com抜粋)
あと半年というところまで迫ってきた任期も、今はルワンダ人にいかに一人でできるようにするかのいわゆる【技術移転】に入りました。目一杯彼らにやらせて失敗させてでもトライさせて、何が足りないのか、何を準備しておけば成功に繋がるのかを日々彼らと一緒に考えています。
この段階に入ると、もう次のステップを考えて動くということもあるでしょうか。僕は本当にてんやわんや色々な突拍子もないことが常に起きるルワンダ人達と楽しくも苦しくもやっている状況で、とても先のキャリアを見据えた判断や勉強はできておりません。。アフリカで働くって結構忍耐力がいるな、自分も意外に「仕方ないよな〜だって◯◯だもんな〜」と思うことも出てきました。良いのか悪いのか笑。先を考えること、少しずつできたらな〜と思っています。
さて、今回の本題に。
【ローカルNGOが立ち上がりました】
と聞くと聞こえがいいかも知れませんが、先輩隊員が頑張って育ててきた見込みのあるルワンダ人が、ようやくローカルNGOを立ち上げてルワンダの国の観光業の将来を作っていくフェーズに入りました!!
その名もタイトルにある通り”UMUSARE(ウムサレ)”、日本語で言うと”船乗り”という意味です。自分達がルワンダの観光業界のパイオニアとして舵取りをして必ず成功に導くんだ!という強い想いを彼ら自身で表してくれた言葉です。これを聞いた時の気持ちはまた格別でした。
<経緯>
そもそもの成り立ちは前述の観光業の強化の僕のミッションと、先輩隊員が取り組んだ人材育成のベクトルが重なったこと。それにより、ずっと前にこのブログでも記載した2016年2月の「フキガリアートフェスティバル」の開催に至りました。そこで得た気づきを二人で約1ヶ月揉んで、より立体的にルワンダを牽引する存在になれるというポテンシャルを活かして【ハンドクラフトを通した弱者支援と観光業の拡大による市場拡大】を目指して、今月で5ヶ月のルワンダ人の努力の末に実現しました。詳細は下記の通り。簡単ですが。
●ハンドクラフト市場金額ポテンシャル
現在外国人流入者約120万人(統計参照)×平均単価1万フラン(約1500円と仮定)=12億フラン(約2億弱の市場)ではあるが、明らかにそれよりも少ない。
●ハンドクラフト市場の課題構造
①外国人流入者多いにも関わらず市場が小さい
↑
②プレイヤーが少ない&モノが弱い&情報が整備されていない→チャンスロスによる売上停滞
↑
③技術の停滞(オリジナリティが無い&若年層の育成不十分)&(新しいビジネスモデルの育成が無い&マーケティング力が弱い)→ヒトに大きな課題
↑
④ヒトが入りたくなる市場の開発が求められる→儲かる仕組み作りを作り、技術強化と競争促進、情報伝達の強化による生産者と消費者のパイプ強化が命題
●消費者の課題構造
①買いたくならない
↑
②良いものが無いから買い叩く&良いものがある場所を知らないから諦める
↑
③全部似たり寄ったりでルワンダらしさが無い&地図もないし情報もないから探せない
↑
④オリジナルで品質高い商品の開発&メディア媒体の確立
●競合環境
①うまみが現時点でないのでプレイヤー少ない
②相対的に競争は少なく、品質もそこまで高くない
③マーケティングとトレーニングにより伸びしろ大きく勝てる可能性が高い
④外国人支援団体は多いが、ローカルNGOは少なく注目を浴びる
●外部環境
①外国支援が多く入るルワンダ→支援団体によるサポートが受けやすい
②内陸国である政府の方針として周辺諸国のハブになるべく規制緩和されており流入者は増加傾向→市場が更に大きくなる可能性を含む
③脱農業を掲げる政府方針により観光業は利益率含めて注目を浴びている→新規ビジネスは受け入れられやすい
ということでまずはビジネスチャンスの可能性を見いだす為にテスト的に2016年2月にアートフェスを実施。ハンドクラフトだけで見ると主催者側だけでも収益は1日で150万フラン(日本円で25万円。これはルワンダの1日の平均的所得の750倍です。)もちろん、他の付属イベントで最終的には若干の赤字計上をしてしまいましたが。。
●イベント1回目から学んだこと
①市場活性化のポテンシャルをやはり多く含む(オリジナリティの高いものはあっという間に売れ去った、お店の情報を多くの消費者が聞いていた)
②技術の進化はまだまだできる(お店毎の技術の差が激しく、低レベルの店が多い)
③継続した支援による下支えがキーファクターになる(国連関係者や大使館関係の人が多く来て活動自体への評価が高かった、継続的実施の前提で支援を申し出られた)
以上のような考察をルワンダ人が考えて作り出した案がUMUSAREでした。
UMUSAREには以下のような課題解決モデルがあります。
①モノの弱さの克服
a)「アートスタジオの創造性×低所得職人による丹念なモノ作り」のワークショップ→オリジナルの工芸品開発
b)アートフェス内での「工芸品コンペティション」開催によるアイデア発想の場の提供と商品化支援
②情報発信の弱さの克服
a)郡庁公認NGOとしてのメディアPR
b)Webサイト制作による情報受け皿の設立
c)ネットワーキング構築による様々なイベントへの技術提供PR
d)インターナショナル校へのルワンダ伝統工芸の出張授業による学習・興味促進
e)クラフト体験型サービスの提供による消費者の知識の深化
③ヒト育成課題の克服
a)キガリアートフェス収益の若年層育成校へのドネーション
b)アートフェスによる若手アーティストへのビジネスチャンス提供
c)「アートフェス収益によるトレーニング費用の創出×トレーニングが行き届かない貧困女性の仕事作り」の社会復帰支援プレグラムによるプレイヤーの増加
社会的ミッションとしては【所得の少ないヒトの収入向上と女性の社会進出促進】を掲げる。※実はまだ支援団体との契約をもらえるに至って居ないですが・・・
分野自体はハンドクラフトを中心にしたアート産業全体の活性化をNGOとして掲げる。ファッションやエンタメ市場も視界に入れているため、次回のフェスは音楽・ダンスを何度も入れ込む予定。
ということで、上記①〜③の中の活動の1つが僕が担っている「フイエコーヒー石鹸」や「伝統バナナビールパッケージ開発」「ルワンダハニーのブランディング化」と繋がっている。アーティストはキガリアートフェスへの参加料がタダになる代わりにワークショップを開き、商品開発を地元の職人と行い、それを職人が作って、キガリのNGO代表の店で売りに出せる。代表の店は他の土産物と違ったオリジナルのものが並ぶため、購入数量や単価が上がる。それによりマーケティング費用が捻出され、情報発信が増える。更には口コミによる社会科授業・体験型サービスへの需要が伸びる。といったような好循環がロジック上できる予定です。
【つまり、、、】
買い叩かれていたモノが付加価値を持って高く買われ、プレイヤーが増える魅力的市場になることで、消費者の受け取る情報量も増えて、たくさんのサービスとともに市場が活性化する。(理想としては、ですが。。)
買えばそれだけ低所得貧困層の女性達の収入が増え、よりクリエイティブなモノを生み出す力が生まれるんです!!!(理想としては、ですが。。)
もちろん、消費者としては品質の良いものでないと買われない訳で。買ってもらえるターゲット目線での市場作りができることは僕にとっても至上命題だったのでとても嬉しい。
組織体系はこんな感じです。
【直近の活動】
<アートフェス第2弾開催>
・7月17日(日)10-19:00@ニャルタラマ ポートフィノホテルにて
・50以上の店が一挙に集まる国内最大級のアートフェス
・4種類のクラフト体験コーナー
・入場料3,000フランでルワンダダンスやライブミュージックも楽しめる
・12歳以下の子供無料
・ルワンダ5大アートスタジオの中の3つがテクニカルサポート
今回は完全に、冒頭にも言いましたが「ルワンダ人にやらせている」ので彼がどう動かすか、という意味で僕にとってはとても意味のあるイベントでした。
さて、この結果はいかに・・・
次回に続く。
2016年6月25日土曜日
タンザニア紀行 #5 ザンジバル
さて、タンザニア紀行も最後になります。前回までは陸の旅サファリでしたが、今回は海の旅ザンジバルをお送りします。
【ザンジバル】
タンザニアのリゾート地として名高いザンジバル。割りかし綺麗な部分だけ取り上げられる街ですが、ここでは光と闇の両方を取り上げたいと思います。
《ザンジバルの地理》
念のため。ザンジバルはタンザニアの東海岸でインド洋上にある島で人口約100万人が住む。イスラム教が人口の8割以上を占める。タンザニア圏内にあるが歴史的にはザンジバル王国として栄えたため自治権が強く、独立国家としてのプライドを持つ国である。2000年にストーンタウンが世界遺産に登録される。
《ザンジバルの歴史》
ザンジバルの人類の歴史は長く、約2万年前から人類はここに住んでいたとされます。ザンジバルはインド洋、アラブ海、アフリカ域内の中継点としての交易重要ポイントになったため、1499年のポルトガル人バスコ・ダ・ガマの渡航後にポルトガルに支配され、200年後にはオマーン人に支配される。ここからはアラブ系により統治されたため今のイスラム傾向の強さが残る。
この頃から①香辛料②象牙③奴隷の貿易の中心を担う。香辛料貿易は対ヨーロッパ中心に栄え、現在でもザンジバルの多くのエリアで香辛料生産が根差しており、お土産の一つになっている。また、奴隷貿易は加速され、現在のケニア・コンゴなどまで広がり、スワヒリ語圏の拡大もこれに乗じた。
1890年代にはイギリス支配領域となり、間も無く奴隷貿易は終わった。1964年にスルタン支配に不満を持つアフリカ人により独立国家として建国、タンザニアと合流し、タンザニア共和国となり今に至る。
以上が簡単なザンジバルの歴史。それを抑えるとザンジバルもまた違う見え方に。
《観光》
まず目にしたのは大砲。戦争の名残。
世界遺産のストーンタウンは、イギリスの支配下の歴史からか、やはり少し西欧の雰囲気が漂う。
そして絶景レストランThe rock。実はこのレストランはストーンタウンとは真逆の場所にある。車でも1時間強の場所で大変生きにくい。ちなみにザンジバルはバイクは無い。だから僕みたいな国際免許もない人が行くならタクシーしか術はない。でも行ってしまう。
昼でも夜でも最高の景色。昼は透き通る海を眺め、夜は真っ暗な中で星空を眺める。なんて贅沢なのか。そんな景色のためにわざわざ、二回も行ってしまった。
でも、観光客が普段行かないであろう島の反対側に来させるツールとしては素晴らしい。周辺はリゾートばかり。そうやってコミュニティに貢献しているのは見習うべきもの。
これはお土産のティンガティンガ。普通に可愛いって終わるものではありますが、ここにも一つの歴史があります。1960年代に絵を描き始めたティンガティンガさんがこの絵の主で、絵画教育を受けずに編み出したポップな手法が評価され、主に観光用に売られた。元々は観光客の気をひくためにカラフルな技巧を使ったところから始まる。彼の死後には独立の気運も相まって、タンザニア独自の手法として取りざたされ、手法自体がとても人気を博した。そのため様々な人が真似をして現在まで至る。観光用として作られたもので、具材は安価なものしか使っておらず、形も小さく持って帰りやすいものがほとんど。まさにニーズから作られたお土産である。しかも最後は名前まで入れてくれる。やはり、歴史は繰り返すもので、自分ももれなく買ってしまったのである。
透き通る海を持つザンジバルに終始感動しっぱなし。でも、その歴史を少し垣間見ると、もっと旅は深くなる。
【注意点】
①サンダルと水着は持参
→サンダルとか現地調達しようと思ったら意外に物価が高かった。持てるなら持って行くべし。
②タクシーは吹っかけてくる
→まあ当たり前ですが。空港に最初着いた時は金銭感覚がわからずリゾートだから仕方ないかと言い値を少し下げる程度だったが、歩くに連れて物価を認識。だいたいタクシーは2倍くらいで声かけてくる。粘り強く交渉する必要もなく簡単に半分近くまで下がる。現地の人から見たらだいぶそれでも高いから。ちなみにストーンタウンからThe rockまでの往復3時間弱+空港送迎までで$30。最初は往復だけで$60と言われた。
【気づいた事】
①歴史はうまく使え
→語弊があるかもしれないが、残すべきものはしっかり残さねばならない。そして、どう残すかは、残しやすいツールを使っていけばよい。ルワンダで言えば、虐殺の歴史は黒くもなるし白くもなる。それはどう残したいかと、どうすれば残っていけるかを見出すことで解決する。
②ストーリーを語れる奴を見つけろ
→ただただ散策してると終わる観光。それほど頭には残らないだろう。リピートも見込みにくい。でも、ストーリーが背景にあると、記憶に残って住み着いていく。行くだけで興奮する。だからこそ、ストーリーテラーは常駐しておかないといけない。
ということで、ザンジバルを終えて帰国したのでした。実りのある、学びの多いタンザニア観光となりました。
タンザニア紀行 #4 サファリ帰還
【3日目: アルーシャへ帰還】
シェフの最後のお昼ご飯はまたまた盛り沢山で美味しい!まさかのコロッケまで作っていたのには驚かされた!
無事に7時間かけてアルーシャのホテルまで着いたのでした。旅の仲間と最後の記念撮影。タンザニア人2人の素敵なガイドとご飯があったからこその素敵な旅になりました。
また同期隊員みずえさんの、さすがタンザニア隊員と唸る数々のガイドさながらの情報は、さらに旅を素敵なものに彩ってくれました。本当に感謝でした。
【サファリを通して気づいたこと】
①観光客目線のカスタマーサービス
②観光資源の強さ
→サファリの1番の特徴は「アフリカっぽい大地と動物達」であり、アフリカに来る1番の動機となっている。マサイ族もまた日本でも有名で、独自の格好やサファリ内にある集落の差別性から訪れる客は多い。現に、$800を払っているもののそれは安い方である。ターゲットとされる距離的に近いヨーロッパ人は1泊$1500するロッジに泊まる。それほど唯一無二の資源がここには存在するということ。ケタ違い。
③1歩目をどう踏み出させるか
→今回はタンザニアに僕がアテンドするから前職の方々が来てくれました。もし僕がいなかったら来ていたかというと、おそらく来ていない。こんなに観光業の整ったタンザニアでさえ、そんなもんなのだと痛感。ルワンダなんて情報すらない。あっても虐殺の歴史のみ。そりゃぁ来ない。でもアフリカを身近に感じさせる道程のヒントは何となく少しだけ気づけた気がする。
【取り組むべきこと】
①タンザニアやケニアに来る観光客をどうルワンダに来させるか?
→全く違うニーズの観光客だが、東アフリカ共同体としてのビザ不要などのハードルの低さから、来させるポテンシャルはある。「アフリカと言えばサファリ」であるのは間違いないが、アフリカに来たからこそ学ぶべきことの1つとしてのオプションとして、ルワンダは「生きたアフリカの黒い歴史と白い未来」の両方を持つ極めて稀な国。できることは多くある。
②「観光業」の確立
→ルワンダは歴史が短いゆえに観光業などのインフラも整っていなければ、サービスが金になるという意識も希薄である。そのため、わざわざ来た観光客を満足されるに至っていない。ゴリラもタンザニアに比較してアホみたいに高い値段で人数制限まである。まだまだ未開の領域にある観光業が、まずは金になること、そしてカスタマーサービスによる付加価値の意識を持つこと。これこそがルワンダ人にタンザニアから学んでもらうことである。
③資源が無いなら作る
→ルワンダには観光資源はゴリラしかないと言っても過言ではない。あとは虐殺の歴史。差別性をどこに求めるか、誰をターゲットにしてキャンペーンを打つか。おそらくほぼ考えられていないのが現実。観光庁との話し合いにより、ルワンダの特徴とそれを活かした唯一無二の経験を「作る」という取り組みを進めたいなと思っている。
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